三重県鈴鹿市が生活保護申請時に、申請者の財布の中身を1円単位で確認していたことが明らかになり注目を集めています。生活保護申請に関しては資産や収入を報告することが求められますが、財布の現金まで確認することは法律や規定に定められていません。今回は「生活保護 財布中身確認」をテーマに、この問題の背景や影響について解説します。
鈴鹿市で行われていた財布中身確認とは
鈴鹿市では、生活保護申請者に対し窓口に用意した箱に通帳や身分証明書とともに、財布に入っている硬貨や紙幣をすべて出すよう求めていました。これにより1円単位で所持金を確認していたのです。少なくとも5年以上続いてきた運用であり、全ての申請者が対象となっていました。
厚生労働省の見解と他自治体との違い
厚生労働省は申請時に資産や収入を報告するよう求めていますが、財布の中身まで調べる規定は存在しません。近隣の自治体では自己申告にとどめており、鈴鹿市のような対応は極めて異例です。この点が大きな議論を呼ぶ要因となっています。
生活保護制度における「手持金」の扱い
生活保護制度では、所持金や預貯金などは「手持金」として扱われます。手持金が1か月に必要な最低限の生活費の5割を超える場合、その分は初回の保護費から差し引かれます。しかし、通常は通帳や申請者の自己申告で確認することが多く、財布の現金を細かく確認することは想定されていません。
申請者が感じた屈辱と不安
今回の鈴鹿市の対応について、申請者からは「惨めな気持ちになった」という声が上がっています。生活保護は最後のセーフティーネットであるにもかかわらず、過度な確認は申請をためらわせる要因になりかねません。困窮している人が制度を利用しづらくなることは大きな問題です。
専門家の指摘と今後の課題
専門家からは「必要性がなく、申請者の尊厳を傷つける行為だ」との批判が出ています。生活保護制度は国民の生存権を守るための仕組みであり、利用者が安心して申請できる環境づくりが求められます。今後は、自治体ごとの独自運用を見直し、申請者が不必要に萎縮しない仕組みを作ることが課題となるでしょう。
まとめ
「生活保護 財布中身確認」という鈴鹿市の対応は、規定にない独自運用であり大きな批判を呼んでいます。制度を利用する人にとって、申請時の心理的ハードルを下げることは重要です。生活保護は誰もが利用できる権利であることを忘れずに、利用者が尊厳を持って申請できる仕組みが必要です。
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